顧問弁護士の費用について
法務トラブルを防ぐために有効な顧問弁護士契約ですが、実際に顧問契約を依頼するにあたり、顧問料の相場感を知りたいという経営者の方も多いと思います。このページでは、一般的な顧問弁護士の費用間・相場感について簡単に解説させていただきます。弁護士法人えそらが提供する顧問契約のプランについては、こちらをご確認ください。
1 ボリュームゾーンは月額5万円
顧問弁護士の費用(弁護士報酬)については、様々な顧問契約の類型があり一概にいうことはできませんが、その額のみ取り出せば相場としては月額4〜5万円になるのではないかと思います。
少し古いですが日弁連の調査(「中小企業のための弁護士報酬目安[2009年アンケート結果版]」)によると、「月3時間程度の相談を顧問契約の範囲とする場合の月額顧問料はいくらか?」という質問に対して、50%以上の弁護士が5万円、30%以上の弁護士が3万円と回答しています。
したがって、実際には月額数千から数十万円まで幅広いと思いますが、中小企業の顧問弁護士費用の一般的な相場感としては、月額5万円程度ということになるといって良いでしょう。
企業法務にとって最も重要なのは予防法務であり、予防法務に資する顧問弁護士契約のコストとして月額5万円が高いか適正かはそれぞれの判断になると思いますが(安くはないですね)、月額5万円と回答する弁護士が多い理由としては、日弁連が作成した弁護士報酬基準(2004年4月に弁護士報酬自由化のため撤廃)が、事業者向けの月額顧問料の最低料金として5万円と設定していた影響も強いのではないかと考えられます。
なお、顧問弁護士の専門分野についての顧問料は月額5万円よりも高額になる傾向にあります。
2 月額5万円の顧問料の業務範囲と業務量
月額5万円の顧問料で顧問弁護士に依頼できる業務範囲と業務量については、各法律事務所や弁護士により異なりますが、おおよそ3時間前後の業務量で、簡易な法律相談や調査を対象とすることが多いと思われます。そのほか、業務の範囲として、簡易な交渉や契約書の作成、契約書類のレビュー(リーガルチェック)、内容証明の発送なども含むケースもあるようです。
最近では、弁護士EAP(従業員支援プログラム)といって、従業員への福利厚生として、企業からの顧問料の範囲で無料法律相談を顧問弁護士が提供するというサービスも注目を集めています。
このほか、個別事件や訴訟の依頼時に、着手金や報酬金を10〜30%程度割引するサービスも付帯していることが多いでしょう。個別事件の経済的利益の見込み(請求額)によっては、着手金が高額になることも考えられますので、このようなサービスが付帯しているかどうかもポイントになるかなと思います。顧問契約をすれば依頼できる業務内容や割引その他のサービスについても、事前にしっかり確認しておきましょう。
3 格安の顧問料には裏がある?
月額5万円が顧問弁護士費用の平均相場という中で、月額1万円や数千円という費用体系も増えてきているように思います。当法人でも月額11,800円のえそらプランを提供しています。
このように相場からすると格安と思える弁護士報酬で顧問契約をする場合には、毎月どの法律業務についてどれだけの業務量を対応してもらえるのか等の契約内容はしっかり把握しておくべきでしょう。格安だからといって何か裏があるということほとんどなく、多くの事務所はその費用体系である理由を説明できるはずですから、遠慮なく業務の範囲や業務の量について質問することをお勧めします。多くの場合、業務の範囲や量を絞り込んで顧問料の対象外の事件については個別依頼またはタイムチャージで依頼されることを前提としいたり、個別依頼時の着手金割引適用がない等で格安の顧問料を提供していると思います。
ちなみに、当法人が提供する月額11,800円(税込)のえそらプランは、①法律相談無制限、②個別事件依頼時の着手金無料、③契約書レビュー(リーガルチェック)40%割引にサービス内容を絞り込むことで、企業規模に関わらず全ての企業に自信を持ってお勧めできる顧問弁護士契約プランです。
4 顧問弁護士の契約期間
顧問弁護士契約については、年間契約など一定の期間の縛りがある場合が多いと思います。中途解約した場合に返金してもらえるかについては、法律事務所や弁護士との顧問契約の内容次第です。返金を一切認めない代わりに顧問料を割安にしているという場合もあります。
いずれにしても契約前には、契約期間の縛りについてもしっかり確認しておきましょう。
5 カスタマイズも可能なことが多い
基本的には、顧問弁護士の業務量は「1か月あたり3時間まで」のように時間単位で区切られていることが多いと思いますが、カスタマイズに応じてくれる弁護士も多いと思います。
例えば、債権者として少額の債権回収の事案が毎月一定数発生するような企業・事業者の場合、時間単位で区切られるよりも、内容証明による請求5通までという形にする方が双方にとって分かりやすいと思います。事前に、弁護士に依頼したいことがある程度具体化されているのであれば、このようなカスタマイズが可能かを相談してみることもお勧めです。
顧問料の範囲で依頼したい内容や相談したい内容がはっきりしており、依頼の量がある程度見込める場合には、カスタマイズにより相場よりも割安で顧問契約を結ぶこともできることがあります。
また、年間契約にして一括で顧問料を支払うので顧問料を割引してほしいというような顧問料のカスタマイズができる場合も意外と多いと思いますので、無茶な提案でなければ、積極的に提案してみるというのもお勧めです。
6 タイムチャージ制
ある月の顧問弁護士への依頼者からの依頼について、内容が顧問契約の範囲内でも、その量が顧問料の範囲を超えてくる場合があります。この場合には、通常はタイムチャージ方式によって別途弁護士費用がかかります。
タイムチャージ方式というのは、予め、弁護士稼働1時間あたりいくらと定めて実際に法律業務として稼働した分だけ課金して請求する報酬算定の方式です。アワリーレート(1時間あたりの報酬)は法律事務所や弁護士によって様々ですが、だいたい1時間あたり2万円〜5万円(消費税別)の範囲に収まると思います。
7 弁護士法人えそらの顧問契約プラン
弁護士法人えそらが提供する顧問弁護士契約は、大きく分けると、①えそらプラン、②通常顧問プラン、③EAPプランの3種類があります。各プランの月額料金やサービス内容の一覧や説明については、こちらのページで詳細をご確認ください。